薬理学のおすすめ教科書 薬理学は英語で学ぼう


薬理学の講義では、どんな教科書がよいでしょうか。
私自身が学生時代に実践して大正解だったと思う勉強スタイルを紹介します。

■医学を英語で学ぼう

医学の世界も、グローバルスタンダードは英語です。
最先端の研究はだいたいアメリカから生まれるし、どこで成果が生まれようともまずは英語論文として世に出ます。

つまり英語が使えるかどうかで、自分が最先端でいられるかどうかが決まります

おおむね英語の研究成果が日本語媒体で十分流布するまでには2年ほどかかりますから、英語で論文がさくっと読めないだけで、2年分の後れを取ります

また専門科選びの記事でちらっと書きましたが、今後将来的には、医師の仕事も多かれ少なかれグローバル化の波にさらされます

現役医師がおすすめする/しない、専門科の選択


対人診療は日本語というバリアがあるため比較的ましですが、病理科や放射線診断科はグローバル化が直撃します。
医学研究においては言わずもがなで、英語のできない医師・医学研究者は自らの価値を大いに貶めます

医師・医学生が今後自分の価値を高めていくためには(後日追記)

したがって医学生は自分の将来的価値を高めるために医学英語の自己投資をする必要があり、大学で学ぶ講義に英語を取り入れると言うのは手っ取り早くて非常に有効です。

私は入学当初に細胞生物学を英語で学ぼうとしましたが挫折し、ある程度年次が進んでから英語の教科書に再チャレンジしました。
高校では物理選択だったため生物学の素養がなく、基礎知識なしでいきなり英語で勉強するのは私にはちょっと無理だったからだと自己分析しています><

しかし基礎医学の勉強がある程度進んでくると、あとは医学英単語にさえ慣れてしまえば英語の教科書でもさほどしんどくありません

私は薬理学を英語の教科書で勉強して以降、病理学や微生物学など基礎医学の範疇はだいたい英語の教科書を使って勉強をしていました

その後の自分の学習や留学に役立ったのは、言うまでもありません。
今でも周囲のドクターと比較して、圧倒的なアドバンテージを感じています。

■薬理学は、英語で学ぶ意義が大きい

いろいろな分野を英語で勉強しましたが、最も英語で学ぶ意義があるのは薬理学だと経験上思います。
理由はいくつかあります。

①日本語の教科書でも、化合物や分子の名前は英語そのまま

たとえばATPは日本語の教科書でもATPと書かれてあります。
グルタミン酸は英語でglutamic acid 日本語とほとんど同じです。
英語でも日本語でも大差がないので、とっつきやすいです。

②薬理学で大事なのは作用機序=図

薬理学で重要なのは、薬がどの分子がどこに作用するのかを図としてイメージすることです。
難解な文章を読む必要はなく、図が頭に入ればOKです。

またいろんな洋書をぱらぱらめくってみると分かりますが、一般に洋書のほうがイラストが優れています
アメリカではメディカルイラストレーターという職業が一般的だからです。彼らは科学的に正しく・かつきれいに図や絵を描く専門家です。

「アメリカはプレゼンテーション上手な国」というのを思い出しますね↓

Amazonで注文したら、違う商品が届いた

③英語の薬品名には規則性がある

※個人的には、この3番目の理由がもっとも私にとってメリットがありました。

規則を知っていれば、知らない薬の名前もだいたいの作用機序が想像できます
日本語では規則を見出しにくくても、英語であれば一目瞭然です。

薬の一般名は無機質で覚えにくいものですが、ルールを知っているとずいぶん楽に覚えることができます
同級生が訳のわからない語呂をつくって暗記しているかたわらで、暗記する努力もせずに薬の名前を次々マスターすることができます

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例えば「ミカファンギン」というお薬。
商品名は「ファンガード」といい、臨床の現場ではよく使用します。
何の薬か分かりますか?

英語にしてみると「micafungin」
これでわかった人がいるかもしれません。

医学英語をかじっていれば、真菌が「fungus」であることはすぐ常識になります。

真菌がfungusだとわかっていれば、micafunginが抗真菌薬であることはもう二度と忘れません。

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例えば「リバビリン」というお薬。
C型肝炎の治療で使います。

C型肝炎ウィルスに効くわけですが、英語では「ribavirin」です。

virus=ウィルスがちゃんと名前の中に入っています
日本語ではピンときませんが、英語であればすぐに分かりますね

ではザナミビルは?

英語では「zanamivir
商品名は一般人でも知っている「リレンザ」

インフルエンザウィルスに対する、吸入治療薬ですよね。

薬品名のスペルが頭に入っていれば、覚えるべき事柄は格段に減るし、記憶の足がかりができるので忘れてしまっても、すぐに思い出すことができます

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さらにいきます。
例えば「ガスター」という薬。
一般名はファモチジンですが、これだけではピンときません。

英語で書くと「famotidine」になります。

この由来は「histidine」 そう、必須アミノ酸の一種ですね。
大学受験の化学では、必須アミノ酸は構造式も含め暗記した人もけっこういるはず。
体内でヒスチジンはヒスタミンに変化します。

魚摂取によるヒスタミン食中毒は、魚に含まれるヒスチジンが体内でヒスタミンに変換され、アレルギー様の反応を起こすのが理由(ヒスタミンはアレルギー成分ですよね)です。
救急外来をしていれば、たまにお目にかかります。

ここまで分かっていると、ファモチジンがヒスタミンブロッカーであることは自然と理解できるはずです。

むしろ「ファモチジン」という名前を見るだけで
ヒスチジンがヒスタミンに体内で変化すること、それが魚摂取後のヒスタミン食中毒を引き起こすことまで頭に浮かびます。
ひとつの事柄で複数の事象を理解できれば、記憶は点ではなく線となり定着率が高まります

さて、ではシメチジンは何の薬でしょうか。
ラニチジンは何の薬でしょうか。

アルファベットではそれぞれcimetidine・ranitidineです。
初めて聞いた名前のお薬かもしれませんが、その薬理作用、もう分かりますよね。

薬理学の世界では、こういう要領のいい学習方法がゴロゴロ転がっています
英語で勉強するだけで、日本語では気付かなかったたくさんの法則に私は気付くことができました

■おすすめの薬理学教科書

いろいろ比べてみましたが、ベストはこの本、Pharmacology (Lippincott Illustrated Reviews Series)です。
和訳され、リッピンコットシリーズ イラストレイテッド薬理学として販売されている本の原著です。

日本語の医学書と比較して大変リーズナブル(英語の教科書は世界で広く使用されます。
日本語の本よりもはるかにマーケットが広いので、その分価格も安くできますね)で、図も非常にきれいです。

私はMicrobiology(微生物学)Biochemistry(生化学)も持っていて愛用しています。

■薬理学の教科書選択 まとめ

医学の世界に英語は不可欠です。
そのとっかかりとして、薬理学は取り組みやすく、かつその効果が高いために英語の教科書の活用をおすすめします。

おまけ1 医学書を安く買うには

今回ご紹介した薬理学の教科書は洋書なのでそこまで高くはありませんが、日本語で書かれた医学書は一般的にかなり高価です。
したがって割引率が少し上がるだけでも節約効果が大きくなります
安く医学書を買う方法をいくつか知っているだけでも、支出は大きく変わってきます

医学書を安く買う方法とコツをまとめてみた

おまけ2 要領よく勉強したいあなたへ

薬品名の法則一覧を作成しました。
薬理学を英語で学習する際のエッセンスといえます。
これで薬理学は、無味乾燥な暗記から解き放たれます
さらに、薬理学の勉強をして気付いたことやLippincottの教科書で有用な内容をトッピングしてまとめてみました。
note内で公開します。

「薬品名 英語の規則まとめ」はこちら

このまとめを手元に置きながら、Lippincottを読み進めるとさらに効率的に薬理学が勉強できると思います。

おまけ3 使い終えた教科書・医学書の活用法

医学の世界は広くて深く、医学生の間も医師になってからもたくさんの医学書を買って勉強していきます
そのたくさんの教科書の中には、自分には必要がなくなるものもどうしても出てきてしまいます。

そんな医学書も捨ててしまわずに、上手に売れば資源を有効に活用することができます
捨てる予定だった教科書がお金に変わり、どこかの誰かがまた医学書を大事に使ってくれます

しかもここで紹介する業者なら、洋書であっても書き込みがあっても買取OKです。
この記事で紹介したリッピンコットの薬理学の洋書も、もちろん売ることができます (個人的にはずっと手元に置いておくべき名著だと思っていますが)

使い終えた医学書を高く売るコツ:廃棄本すらもお金に変えよう

 

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