久しぶりの相談回答です。
今回はブログで回答してみました。
・30代 一人暮らし
・資産は下記
①現金500万
②つみたてNISA(年40万=満額設定) SBI証券 全世界株インデックスとS&P500 おおよそ半分ずつ 現在6万円
③特定口座 楽天証券 VOO 100万円(先日購入したばかり)
・年間50~80万円程を投資に回したい(今後も大きな昇給はなさそう)
・定年まで働くつもり
・確定申告は経験あり
質問要旨:
現金500万円のうち、100万円を追加で投資に回したい。①VOOを買い増す
②別の米国ETFを買うで迷っているがどちらがよいか。
投資を最近始めた方からの質問ですね。
些細な問題ですが、いくつかうーんと思うところがあるので列挙していきます。
これから何十年も投資していくのであれば、そうした微々たる差も無視できない金額に膨れ上がる可能性はありますからね。
もくじ
■為替手数料の観点から、ETFは楽天証券よりもSBI証券で持つほうが良い
SBI証券の場合、住信SBIネット銀行と連携させることでドル転にかかる手数料は1ドルあたり4銭です。
一方楽天証券の場合は1ドルあたり25銭なので、SBIのほうがドル転コストがわずかに安いです。
同じものを買うのなら、手数料は安いほうがベターです。
■クレカ積立を活用できていない
楽天証券では、月5万円まで投信の積立を楽天カード決済で行うことができ、買い入れ金額に対して1%の楽天ポイントが還元されます。
つまり年間最大で5万円×12か月で60万円分。還元は500ポイント×12=6000ポイントになります。
これはつみたてNISAの分もカウントしてくれるので、この 最大6000ポイント/年 を現状ではみすみす見逃していることになります。
また今後SBI証券やマネックス証券でも同様に、クレジットカードによる投信積立サービスが開始される見込みです。(金額は同じく月5万円とのこと)
1%も還元されるというのはめちゃくちゃ条件がいいので、年間50~80万円の入金力であればこのクレカ投信枠を可能な限り埋めるのがベストです。
■投資信託を持つなら楽天ポイントのほうがポイント還元が(一般に)多い
投資信託ごとに少しずつ還元率が違うのと、最近SBI証券で改善されたので銘柄次第ではありますが、基本的に低コストインデックスファンドの場合は楽天証券のほうが還元ポイントが多い(年率換算で0.048%)です。
同じ商品を保有するのなら、よりたくさんポイントを還元してもらえる証券会社を選ぶべきです。
■海外税額控除をする価値はあるのか
海外ETFの場合、確定申告で海外税額控除を計算することで、とられすぎた配当金への税金をいくらか取り返すことができます。
所得次第ですが、最大でもともとの配当金の10%が返ってきます。
つまり、100万円のVOO(配当利回り1.5%で計算)の場合は、100万×1.5%×10%ということで年間最大1500円の税金を取り返すことができます。
この金額と、海外税額控除の手間が見合うのかという話ですね。
そして仮に退職等して所得が減った場合、税額控除の額も当然減ります。
ETF・投信それぞれコスト面では一長一短です。
低コストインデックスに限って言えばトータルリターンはほぼ同等と考えてよいですが、海外税額控除が得られなくなれば配当金再投資の額が減り、ETFが劣後してしまいます。
というか、かなりメリットのあるクレジットカード投信積立(前述)を活用できていない分、満額の海外税額控除が得られたとしてもETF運用のほうがパフォーマンスは落ちます。
ただ質問者さんは確定申告の経験があるようなので、振り込まれてくる配当金がうれしいというのであればやってみてもいいかもしれませんね。
経済的合理性の追求も大事ですが、「うれしい」という感情がもたらす幸福感も投資の継続には有益だからです。
ただし個人的には質問者さんの資産規模・入金力の場合は、かける手間に対して得られるものは少ないようには思います。
またETFの種類が増えれば増えるほど配当金の計算も増えるので、少しですが確定申告時の手間が増えます。
ということで、質問の
①VOOを買い増す
②別の米国ETFを買う
であれば、どちらかを選べと言われれば手間が増えない①を私なら選びますが、そもそもETFは全売却して投資信託1本にしますね・・・。
月に何十万も入金できるなら話は別ですが、入金力がクレカ投信の枠くらいなら、そちらを優先したほうがいいです(そのくらいクレカ投信は有利です)
これは質問者さんのほしい回答ではないかもしれませんが・・・w
■相談回答 まとめ
というわけでまとめると、回答時点では
・インデックス投信は楽天カード+楽天証券のコンボ(年間最大60万円)で買うべき
・今後クレカ投信積立が他社でも始まれば、その枠を優先して使っていく
・ETFを買いたいならSBI証券にすべき
・投信とETFどちらがいいかは好みの問題だが、入金力と費用対効果を考えると投信一本のほうがよい
と考えます。
質問者さんは投資を始めたばかりでまだ軌道修正がすぐできるので、いまのうちにスタイルを変更してしまったほうが、あとあと楽チンだとは思います。
以上、参考になりましたでしょうか?