持家vs賃貸 論争:国家資格を生かし、不安定で流動的な未来を生き抜く


早い段階でマイホームを買ってしまった方がいいんでしょうか。
はたまた大きな借金を背負わず、賃貸で暮らすほうがいいんでしょうか。

今回は、古くからある「持家vs賃貸 論争」について、私見を述べてみます。

■どちらが低コストかの正確な比較は困難


この手の論争はだいたい平行線で終わります。
なぜなら、持ち家と賃貸のコストを正確に比較するのは困難だからです。

コストを比較するためには、さまざまな前提条件が必要です。

ローン年数は?融資条件・金利は?
不動産価格や家賃は?
購入者の収入は?(住宅ローン控除に関連)
家に何年住む?

物件にもよるし、購入者の属性やライフスタイルにもよります。
たくさんのパラメータが存在するのです。

何十年ものスパンでコストを比較するわけですから、パラメータを少し動かすだけでトータルコストは大きく変わります。

数字をいじれば、ライターの都合のいい結果にいくらでも変えることができます。

■新築が割高なのは間違いない

新築物件は3割割高(これが不動産会社側の利益)というのは、不動産を多少勉強された方ならご存知でしょう。
つまり、新築物件は買った瞬間に資産価値が3割引きになります。

したがって、費用対効果を考えるなら新築が勧められないのは間違いないでしょう。
割安にマイホームを手に入れたいなら、中古物件一択です。

こちらの本でも同様の記載がありますね↓

「図解・最新 難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!」書評

■持ち家派のメリット

ローンを払い終えれば資産になる

住宅ローン完済後に、家はまるまる自分の資産になります。
当然、以降メンテナンス費用を除いてお金はかかりません
長生きすればするほど、賃貸派よりも低コストになります。

実際には減価償却により築何十年も経った建物の資産価値はほとんどなくなるため、土地の分の資産だけしか残らないような気もしますが・・・

住宅ローン控除が受けられる


控除を受けるためにローンを借りるわけではないですが、たしかに税額控除により費用負担は軽減します。

一般住宅の場合、10年間・ローン残高の1%(最大4000万円まで)が所得から控除されます。

つまり最大で10年間×40万円の所得控除が受けられます。
(所得が控除されるだけで、この金額がそのまま節税できるわけではないことに注意してください)

■持ち家派の被るリスク

資産の一極集中リスク


一方で持ち家にもリスクはあります。
まず、自分の資産に対する家(不動産)の比率が高くなりすぎます
しかも融資(借金)によって得た資産です。

たとえば急な転勤が決まったとき。
なんらかの都合で引っ越さなければならなくなったとき。
その資産は足かせになります。

災害にも脆弱になります。
憧れのマイホームでも、地震や火事、津波などの自然の力にはかないません。

住居サイズが固定される

同居人数が常に一定の家庭は稀でしょう。

子供が生まれて家族が増えたり、育って出ていったり。
病気や事故で亡くなってしまうこともあるかもしれません。
人数や年齢・構成によって必要な間取りは変わるのに、それを変更することはできません。

賃貸であれば、ステージごとにちょうどいい家をチョイスすることができます。
たとえば一人ぼっちで、大きな一戸建ては明らかにオーバースペックです。

日本は今後人口が減って、将来的には物件も土地も余るでしょう。
需要と供給の関係から、家賃も今より割安になりそうな気がしますね。

■医師免許:国家資格の「ポータビリティー」


私は医師免許という国家資格を持っています。
この国家資格、もっとも有用な点は「日本全国どこでも一様に有効」であることだと私は思うんです。

ふつう、サラリーマンが会社を辞めて転職するときはいろいろと大変です。
若さやスキルがないと、条件がよくなる・または同程度の場所に再就職するのってけっこう大変です。

しかし国家資格の場合は日本のどこでも通用します。
おおよそのスキルは資格によって担保され、転職が非常に容易です。
待遇も同等以上を十分狙えます

この国家資格の「ポータビリティー」は、有資格者だけが持つ特権です。

■社会はより流動的な時代へ

現代日本は、雇用がより流動化しつつあります
医者の世界は以前から転勤だらけですが。

終身雇用は崩れ、入社した会社に骨を埋める人の割合は大きく低下しました。

インターネットは仕事の仕方を変え、ノマドワーカー(特定の場所にとらわれずに仕事をする人)も増えました。

仕事を変えること。住居を変えること。職場を変えること。
どれも、欧米化してきた日本では珍しくなくなってきました。

■賃貸はポータビリティーを活かせる


持ち家を所有することは、その土地に自分を縛りつけることです。

対照的に、賃貸はノマド(遊牧民)的なライフスタイルです。
流動的な時代に、賃貸はフィットするでしょう。

そして何より医師のような国家資格保持者には「ポータビリティー」という武器があります。
私自身は賃貸派なのですが、それは持ち家が自分のポータビリティーを毀損してしまうからです。

必要なものに、必要なだけお金をかけるほうが合理的で私は好きです。
移り気で飽きっぽい私は、最初にお金を全部支払うのはイヤなんです。
結婚相談所すら、そういう視点で選びましたw

【婚活】フェリーチェ(FELICE) 医師向け結婚相談所に登録してみた

■眼科医のノマドな将来展望

ド田舎育ちですが、医師になってからは街中に出てきました。
特定の土地に特別な愛着もないし、マイホーム願望もありません。
眼科ですが将来は開業もせずに、のらりくらりと生きるノマド医師になるのが理想です。

きっと長期的には、医師という仕事は金銭的にはより報われなくなってくると思います。

医者が負け組になる時代

そうなる前に、今のうちにしっかり資産を形成していかなければいけません
それなりの種銭があれば、不労所得の額も大きくなり、日々の暮らしをラクにしてくれます。

都会の喧騒がいやになったら田舎へ
地球温暖化の気温上昇が耐えがたくなったら涼しいところへ

理想はそう簡単には実現しませんが、しっかり資産を形成して、社会の役に立ちつつ・ストレスも溜め込み過ぎない、ほどほどに慎ましくゆるりとした生活を将来営めるようになりたいものです。

 

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