■英語学習の壁:正しい前置詞に迷う
ふだん英語を学習していると「この場合前置詞はどれを使えばいいんだろう?」と疑問に思うことがあるはずです。
英作文や英会話でとくに顕著でしょうか。
たとえば医学論文を書く際など、適切な前置詞に迷う場合が多いかもしれません。
大学受験でもよく「この文章の空欄に入る、正しい前置詞はどれか」みたいな問題が出ますね。
解説を読んでも、ごにょごにょと分かるような分からないようなことが書いてあります。
■前置詞を「正しく」学ぶ
英語ネイティブの人は、前置詞の選択を迷ったりしません。
inだろうがonだろうが、自然に正しいものを選べるはずです。
それはそれぞれの前置詞の「正しいコンセプト」を体得しているからです。
前置詞にはそれぞれ、おおよその概念・イメージがあります。
それが分かっていれば、自然と正しい前置詞を選べるようになります。
英語の文法の教科書を開くと
「接触」のon
「対比」のto
「手段」のby
などと書いてあってうっとうしいのですが、もっと柔らかい・普遍的なコンセプトが英語の前置詞にはあります。
そういう正しいイメージを分かりやすく概念化してまとめてくれているのが
ネイティブスピーカーの前置詞―ネイティブスピーカーの英文法〈2〉
といった本です。
いずれもベストセラーです。
前置詞の役割をビジュアル化してくれていて、理解が容易です。
大西泰斗氏はNHKで英語番組を担当したことがあって個人的になじみがあるので、少々古いのですが私は2冊目のほうをとくによく勉強しました。
英語学習をしているといつか必ずぶつかる「前置詞」の壁ですが、これらの本に目を通しておけば乗り越えていくことができるでしょう。
■正しい・効率の良い英語学習の方法とは:日本語文法とのアナロジー
苦手な分野をこのように重点的に強化するのは、英語に限らず優れた学習方法です。
ただ個人的に言わせてもらうと、正しく英語を学習(後述)していれば、前置詞の壁はそもそも自然と低くなります。
英語の前置詞の問題・・・それは、ネイティブ日本人が日本語の助詞を間違えないのと似ていると思うのです。
私「は」彼「に」本「を」手渡した。
という文章を考えてみましょう。
「は」「に」「を」の助詞を、正しく選べない日本人はいないでしょう。
理由もなしに、自然と選べるはずです。
文法書を開けば
「主格」の「は」
「相手」の「に」
「対象」の「を」
などとごにょごにょ書いてありますが、こんなことを考えながら話す日本人はいません。
私「は」 と 私「が」 のニュアンスの違いも、うまく言語化して説明できなくても、なんとなくわかるはずです。
「は」と「が」は似ているけれど少し違う、というのが体感的に分かるでしょう。
それと同じように、英語圏の人は
inのコンセプトを考えながら前置詞を選んだりしません。
前置詞は自然と、入るべくして入るのです。
それはなんとなく、経験的に、そうなのです。
厳密にいうと、前置詞のコンセプトがないのでは決してなく、無意識に・体の中にコンセプトが自然と染み付いている、というのが正しい表現でしょうか。
この文脈の場合はinじゃなくてon、awayじゃなくてout、というように。
その「感覚」を養うのが、真の意味の語学学習です。
■私が英語の前置詞を使いこなせるようになった学習法
ではそのためにどうすればよいのか。
どうすれば正しい前置詞を、ネイティブのように自然と選ぶことができるようになるのか。
学校の先生の言う通りに、宿題をこなしてテストを受けても、そういう感覚は身に付きません。
学校の課題だけをこなして、英語が話せるようになった人はあなたの周りにもいないはずです。
私の場合はいろいろと試して勉強してみましたが、「速読英単語」を使った学習で、もっともその感覚が身に付きました。
英語の模試で「適切な前置詞を選べ」と言われても、自然と正しい前置詞を選択できるようになりました。
文法的に××だから、というよりも、文章の流れ的に自然と××でしょ、というふうに考えられるようになりました。
【秘伝】留学無しでも英語は話せる:英検1級に海外経験の無い高校生が合格できた、とっておきの勉強法
実際のところ、私が上で紹介した「前置詞の参考書」を読んだのは、大学生になってからです。
つまり「速読英単語メソッド」を完了した後です。
すでに「速読英単語メソッド」を完了してから読んだ私の感想は
「今まで潜在的に思っていたことが、わかりやすく言語化・ビジュアル化されている!」でした。
つまりネイティブがマスターするのに近い形で、英語の力を伸ばせていたのだと思います。
それが本によってクリアな形にまとまることで、私の前置詞の理解はさらに深まりました。
具体的に言うと、正しい前置詞がより正確に・より自然と選べるようになり、かつ他人にそのコンセプトや選択の理由を分かりやすく説明できるようになりました。
このように、前置詞の使い方を含め、苦手分野を重点的に強化するのは理にかなっています。
それと同時に、本質的な正しい学習方法の万能さ・普遍さも感じました。
学習の根幹となる本質的な勉強スタイルを意識すること、さらに自分の課題に合わせて適宜教科書や勉強法をトッピングすること、この両輪で学習は加速します。
英語の前置詞に悩む方は、「前置詞の参考書」をトッピングして、英語力をブーストするとよいでしょう。
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