■日本の英語教育は、アメリカ英語が基本
我が国の英語教育は、基本的にアメリカ英語で行われています。
Theatre (英国) ではなく Theater (米国)
Centre (英国) ではなく Center (米国)
Colour (英国) ではなく Color (米国)
Organisation (英国) ではなく Organization (米国)
と、これまで学校で習ってきましたよね。
発音に関しても雰囲気がかなり異なります。
たとえば「here」
アメリカ英語とイギリス英語で、全然発音が違いますね。
あるいはこちらの動画ではイギリス人とアメリカ人が話をしています。
おそらく向かって右の帽子を被った人のほうが、みなさんにとってはリスニングしやすいかと思います。
なぜなら私たちが学んできたのはアメリカ英語であり、帽子を被った彼女はアメリカ英語を話すアメリカ人だからです。
イギリス英語は全くなじみがないと、同じ英語なのにかなり聞き取りにくいと感じるはずです。
私も過去に2度イギリスへ医学留学しましたが、1度目は結構苦労しました。
1度目の留学の時点ですでに英語力には相応の自信がありましたが、それでもリスニングは手こずりました。
アメリカ英語の教材ばかりを使って勉強していたからです。
2度目の留学は以下のような対策をしてからだったので、とくに不自由は感じませんでした。
やはり(適切な)努力は嘘をつきません。
■イギリス英語対策の基本
イギリス英語が聞き取りにくいのは、単純に耳が慣れていないからです。
相手が単語を発したときに、その単語だと認識するのにタイムラグが生じるのです。
そのタイムラグが積み重なっていくと、相手が何を言っているか分からなくなり、会話についていけなくなります。
相手の発言を活字にしたら理解できるはずですが、聞き慣れない発音で相手が言うから分かりにくいのです。
イギリス英語が、アメリカ英語とまったく異なる言語体系なのではありません。
両者は発音のクセが少し違うだけです。
さきほどの動画のように、アメリカ人とイギリス人は、ネイティブ同士ふつうに英語で会話ができます。
しかし私たち日本人にとって英語は外国語であり、不慣れです。
少しのクセの違いでも、積み重なって大きな影響を受けてしまうのです。
対策としては、耳を慣らす、これに尽きます。
■イギリス英語対策① 初級編
耳を慣らすなら、一番のおすすめはこの教材「本場のイギリス英語を聞く (Live from the U.K.)」です。
この本はイギリス現地で実際に生録音した内容がCDに入っています。
CDを再生するだけで、まるでイギリスにいるかのような気分になります。
イギリスにいる人がみんな、アナウンサーのように綺麗に発音するわけではありません。
独特の言い回しや各人毎の発音のクセもあり、それらの合わせ技でさらに聞き取りにくくなってしまうのです。
その点、日本に居ながらにして実際のイギリス人の会話を事前に勉強しておけるわけですから、現地での苦労を分散・先取りすることができます。
内容もロンドンの名門観光地などが題材となっており、イギリス文化も無理なく吸収していくことができます。
題材がとっつきやすいので、初級編としてはこれがおすすめです。
■イギリス英語対策② 中級編
中級編としては「イギリス英語を聞く(赤・青)」を推薦します。
コンセプトとしては初級編の「本場のイギリス英語を聞く」と同様で、現地生録音で完全ネィテイブのイギリス英語が収録されています。
イギリスでの観光を想定した様々なトピックが取り上げられているため、イギリスに関する背景知識も含めて、効率よく吸収することができます。
初級編の「本場のイギリス英語を聞く」よりも教材のレベルが高い分、中級編として紹介しました。
ちなみにREDとBLUEの2冊があり、どちらも素晴らしいです。
■イギリス英語対策③ 上級編
最後の上級編は、実は無料です。
BBCが放映するニュースを、ネットで無料で視聴することができます。
BBCは"British Broadcasting Corporation"の略で、イギリスの公共放送、いわば「イギリス版NHK」といったところです。
(厳密には、NHKが「日本版BBC」かもしれませんがw)
イギリス国内外のいろいろなニュースを観ることができ、好みに合わせて自分の興味のあるものを選べばよいですが、個人的なおすすめは「One-minute World News」です。
文字通り、世界の主要な最新ニュースを1分でまとめてくれます。
ガチガチのイギリス英語で、時事問題を扱ってくれます。
時事ニュースは英単語もずいぶん勉強になりますね。
福島原発について・関空閉鎖について、貿易戦争について、などなど、海外の人とディスカッションするときにも自然と単語が出てくるようになり、大いに役立っています。
上級編としたのは、アナウンサーの発話スピードが容赦ないことw・教材ではないので和訳・スクリプトなどの教育的配慮が乏しいことなどからです。
しかし、ある程度英語力のある人にとっては
①世界の最新情報が短時間で得られる
②海外メディアの論点・注目点が分かる (同じ時事問題でも、日本のマスコミの偏向報道と趣が異なることが多いです)
③イギリス英語が上達する
④無料w
と、いいこと尽くしです。
ちなみに私は毎日、CNN(アメリカの放送局)とBBCのニュースを聞くようにしています。(下記の記事参照↓)
イギリス英語のマスターからは少し外れますが...
【コスパ最強】最新の国際情勢を学びながら、実践的な英語力を上達させるおすすめの勉強法
■イギリス英語の勉強法 まとめ
日本人がイギリス英語に苦手意識を持つのは、ただ単純にイギリス英語に慣れていないからです。
暴露量が少ないのなら、対策は簡単。
暴露量を増やせばよいのです。
今回はイギリス英語への暴露を効果的に増やすための適切な教材・参考書やメディアを紹介しました。
日本であらかじめ対策できることをしておけば、渡英後の時間をより有意義に使うことができます。
他の人がイギリス英語に手こずっている間に、イギリス英語をツールとして使い、どんどん知識を吸収していけるのですから。
語学は本来、その習得自体が目的なのではありません。
語学はあくまで、知識や技能を習得するためのツールです。
そのことに気付き、そこまで語学力を高めることができれば、外国でも本当の意味の学びが実現します。
「英語を学ぶ」のではなく、「英語を使って何かを学ぶ」のが、英語学習の真の目的です。
「海外で英語を学ぶ」レベルを早く卒業して、「海外で英語を媒介として○○を学ぶ」レベルに到達したいものです。
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