保険 一般論


日本人がとくに好む「保険」という商品について

■保険本来の目的

保険とはそもそも「予測できないリスク・自身で対応しきれないリスク」を、みんなで少しずつコストを出すことでリスクヘッジする仕組みです。

保険が効果的なシチュエーション

自動車保険は好例です。
ドライバーのうちほとんどは重大な事故を起こしません。
しかしごく稀に死亡事故等を起こし、数千万~億単位の賠償金を払わなければいけない人がでます。
このレベルの金額を、ポンと出せる人は世間には多くありません。
たとえば賠償金1億円の事故を1000人に1人が起こすとすると、1人10万円の負担で全員の生活が守られます

他にも海外旅行保険は保険契約の意義の大きい商品だと思います。
詳しくはこちら↓

海外旅行保険の考え方:知らないと破産することも

保険が効果的でないシチュエーション

一方医療保険を考えてみましょう。
病気になること・・治療費がかかることは「予測できない」リスクでしょうか。
公的な保険や、被雇用者であれば福利厚生もある中で「自身で対応しきれない」リスクでしょうか。

心筋梗塞や脳卒中などの生活習慣病、がんで死亡する人は50%を超えます。
手術や入院などで仮に20万円かかるとすると...
1000人いれば500人には20万円の費用がかかります。500人×20万円=1億円をみんなで負担しようとすると、1人10万円の負担が必要です。
20万円の支出をヘッジするために、10万円の保険費用を払っているということです。
これだったら、わざわざ保険に入るよりも「想定される支出」として蓄えておく方が合理的ではありませんか。

この2つの単純化された例からわかることはすなわち、保険というのはお金を払うことでリスクヘッジすることができる商品だということです。
そしてその効果は上の例のように「起こる可能性は低いが、起こってしまうととてつもないダメージを受ける」ケースで最大化されます。

■保険とは、ある種の不平等条約

保険は、胴元にとっては常に勝ち戦です。
というか、胴元は自分が勝てるようにデザインをした商品を売ります。保険会社は慈善事業をしているわけではありません。
消費者は保険を契約しても勝てるかどうかはわからず、しかも勝てる確率は比較的低く設定されています。

そして私が常に忘れないようにしているのは、わたしたちの払ったお金で保険会社は利益を得ているということです。
都心の一等地に立派なビルを建てるのにかかった費用も、高い給与・恵まれた福利厚生も、その元手は保険料です。
保険という商品を契約する場合には、そのことは必ず頭に入れておく必要があります。

ちなみに払い込んだお金は流動性を失う上、保険会社には倒産リスクもあります。
現金で蓄えておく場合、使途は自由で流動性も高いまま保たれます
つねに現金は最強の資産価値を持ち、それを別のものに変換するということはその利点を失うということです。
お金があればいつでもバナナを買えますが、バナナを持っていてもそれを売ってお金にできるとは限りません。

■保険会社とわれわれは、つねに利益相反

私たちが保険を契約をして良かったと思うのは、払い込んだ保険料よりも保険会社からの振込額が大きい時です。
保険会社が保険を売ってよかったと思うのは、得た保険料収入よりも私たちへ支払った給付金額が少ない時です。(それが本業での利益です)
つまり保険会社と私たちは利益相反の関係にあり、彼らの奨める商品・提案する商品は保険会社にとって有利=消費者にとって不利な可能性が高いです。

たとえば外貨建ての保険は、保険会社にとって「おいしい」商品の代表例です↓

【注意】外貨建ての保険を契約すべきでない5つの理由

■保険の一般論 まとめ

保険契約とは、ある種の不平等条約です。
その不利な条件を理解してなお、自分にとって利益がある(リスクをヘッジする価値がある)商品のみを選抜する必要があります。

このように私は保険という商品に対しては比較的否定的なポジションを取っています。
しかし全否定しているわけではなく、これらを納得した上で契約している商品もあります

詳しくはこちら↓
JA共済 ライフロード
明治安田生命 じぶんの積立

またある種の保険には節税効果があり、そのメリットは給与が高いほど大きくなります。
詳しくはこちら↓

 

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