配当金のない投資信託は、配当金を出すETFよりも本当に有利なのか


投資の世界で当たり前のように語られていることのひとつとして
配当金のない投資信託は、配当金を出すETFよりも有利」というのがあります。

■配当金のない投資信託の場合配当金は実質的には投資信託の評価額上昇になっており、キャピタルゲインとなる。
つまり保有する投資信託を売却するまでは、その額に対して税金がかからない。(=税の繰り延べ効果がある)

■配当金を出すETFの場合は分配の度に税金がかかり、資産形成の足を引っ張る。

というのがその根拠とされています。

しかしその理論が必ずしも正しいとは思いません。
以下にその根拠を列挙します。

※タコ足配当型の投資商品(分配を出すために元本を棄損してでも特別配当金を出す商品)は論外ですから、除外して考えます。

■①配当金は現金


配当金は現金の形で投資家の元に届きます。
いつも言っているように、現金は最強の金融資産です。
再投資したければ再投資すればいいし、車など大きな買い物があるのならそちらに回したって構いません。
趣味にお金を使いたいのならそれもまた許されます。

現金というのは、もっとも自由度が高い資産です。

■②割高局面では、配当金のない投資信託は高値掴みさせられる

投資で大負けしないコツは、高値掴みをしないことです。
たとえば超優良株で知られるジョンソンエンドジョンソン(JNJ)の株を買ったとしても、5年前の安い時期に買う(1株80ドル)のと今から買う(1株130ドル)のではそのリターンは全く異なります。

投資商品は買うタイミングが非常に重要で、リーマンショック直前・直後の購入でも天と地ほどのリターン差があります。
割高で買ってしまうということは、それだけ損益ラインが上がってしまう、つまり利益が出にくくなるということです。

割高局面で株は買うべきでないと明らかなのに、配当金のない投資信託ではそれができません
ドルコスト法という大義名分の下、割高時でも粛々と同じ銘柄を実質的には積み重ねることになります。

ETFで配当金をもらっているのであれば、割高時にはキャッシュポジションをとるもよし。あるいは市場が割高であっても割安な個別株は存在するはずですからそちらにお金を回して投資するもよし。

現金はもっとも自由度の高い金融資産ですから、その特性を生かして高値掴みを避けることができます

■③配当金は利益確定


配当金が払い出されることによって、その利益は確定します
一度得た配当金は「やっぱり没収します」とはなりません。

一方キャピタルゲインは含み益となり、その株を売却するまで利益は確定しません
明日売却しようと思っていた日に大暴落が起これば、今までの含み益は吹き飛びます。
含み益は、含んでいるだけでは本質的には意味をなしません

株価の暴落を楽しむメンタル:リスクを抑えながら、手堅く資産を増やす方法

■④配当金は精神安定剤


あくまで感覚的な話ですが、定期的に安定して確定された利益が手元に届くというのはすさまじい精神安定作用があります。

私は高配当な銘柄ばかりを買っているわけではありませんが、仮に露骨な高配当戦略をとると手取りの配当利回りを4-5%程度にすることもできます。
配当金の絶対額は自身の資産規模に大きく左右されますが、毎月あるいは毎年、自動的にお金が振り込まれてくるわけです。

旅行に行ってる間でも、失業中でも、変わらずに淡々とお金が振り込まれます
副業や医師バイトなんかでもお金を増やすことはできますが、それには労働を伴います。
しかし配当金は一切の労働を伴わない、真の意味での「不労所得」になります。

こちらは私の、2018年以降の配当金の受取実績 (手取り=税引後)です↓

配当金という分かりやすい「ごほうび」は、投資を継続する大きなモチベーションになります。
そして継続こそが投資の世界で勝利する大事な要件の一つなのです。

■配当金の有無 まとめ

一般的には、配当金を出さない無配型投資信託は、配当金を出すETFよりも有利とされています。
しかし配当金の存在は必ずしも忌み嫌うべきものではなく、うまく活用することでお金の使い方をより有意義にすることができます
私がETFを中心に資産運用をしている、大きな理由の一つです。

医師投資家が、ETF(上場投資信託)を購入する理由

今後の投資方針について

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私は上述の通り、基本的にはETFを購入しています。

しかし楽天証券でのみ、投資信託に一部資金を充てています
それは、楽天カード+楽天証券の合わせ技で、投資信託購入時に圧倒的な優遇が得られるからです。

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